LOADING

新年度にあたって

 桜の開花もあちこちで始まりました。この時期梅に続いてコブシ、モクレン、ハナモモ、ミモザ等々美しい花木のオンパレードです。

 コロナはひと頃の様に騒がしくない様ですが、まだまだ気を抜けません。ロシアのウクライナ侵攻もどの様な決着をつけるのか?欧米を中心とする民主主義社会とロシア、中国を代表とする共産主義独裁国家とのこれからの時代を賭けた戦いになりました。民主主義陣営が毅然とした決着を誤ると中国の台湾侵攻が現実的になってきます。北方領土の我が国への返還も消えてしまうでしょう。令和の時代はこの様にコロナ、戦争、大地震等の自然災害に見舞われた人類史上のあまりハッピーでは無かった時代として後世の人の記憶に残るでしょう。

 もう直ぐ77歳を迎える私の人生を振りかえっても、終戦後の混乱期は復興への希望という大きな命題が全ての国民に共有されていたので明るいものでした。幼少期は本当に何も無くて家事は全て手作業、炊事洗濯の担当の女性群には過酷な時代でした。徐々に電化が始まり冷蔵庫、洗濯機、テレビと揃っていきました。1964年の先の東京オリンピックを迎えて一気にライフスタイルが変わってしまいました。3Cと言ってCar、ColorTV、Cooler が一挙に普及し新幹線が開通したのもこの時期です。それが今では大抵の家庭では各部屋にエアコン、車も個人所有で何台も有るのが普通の世の中になっています。暮らしのあり方は私の子供時代と比べて遙かに便利で豊かになりました。其れはそれでありがたい事ですが、では心の豊かさや将来への希望を感じる度合いはどうかと言いますと、昔の方が圧倒的に明るい展望に満ちた時代でした。と言ってかつてのその様な時代のライフスタイルに戻す訳にはまいりません。私は終戦後の何も無い復興期から発展成熟した今の時代を全て体験してきたから言える事であって、その様な時代を知らずに生まれ育った多くの人々にとっては、私が感じる幸福の物差しとは違うかもしれません。今の時代を十分幸福と感じているのかもしれません。新年度を迎えて明るい展望や希望を皆さんにお届けする事が出来ずに申し訳ありません。

 最後に一言だけ明るい事を申し上げます。「ありがとう」と言われたら幸せな気分になります。でも「ありがとう」はなかなか言うてもらえません。親切にせんと言うてもらえません。「ありがとう」はシンドイことなのです。皆さん、最後まで目を通していただいて「ありがとう」。