夏が来れば思い出す
78回目の夏を迎えました。正確に申せば82、3回目の夏です。地球の反対側のブラジルに10年間住んでいました。あちらは季節も時間も日本と真反対。こちらの夏が冬、正午が真夜中になります。あちらから真夏の日本に4、5回里帰りしましたから、一年の内に夏を地球の両側で過ごしています。その分、年齢を超えた夏を過ごしたことになっています。
夏の様相も78年間で随分と様変わりしています。私達の子供時代は夏休みを迎える前から時間を追って蝉の鳴き声が変化していました。先ずニイニイゼミ、続いてヒグラシ、カナカナカナと物悲しい鳴き声でした。次はアブラゼミ、ジジジジーとまるで私を呼ぶような鳴き声から、ミンミンゼミのミーンミーンミンミンと続き夏休み真っ盛りはクマゼミの大合唱。夏休みの終わりに近づくとツクツクボウシ。この声を耳にすると、あー夏休みも終わりかと寂しい思いに駆られたものです。「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」と言う松尾芭蕉の有名な句があります。この声はニイニイゼミだということです。
私の家は太宰府の四王寺山の麓で裏山は鬱蒼と樹々が繁っています。しかし私の耳が遠くなった所為なのか蝉の鳴き声もかつてのようには届いてきません。四王寺山は、かつての古戦場跡です。「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」これも又芭蕉の句ですね。「夏河を 越す嬉しさよ 手に草鞋」こんな句もあります。与謝蕪村の句です。
私にも中学校時代に詠んだ句が記憶の底に残っています。
「朝靄の 霞の彼方に 人ひとり」
どうですか?中学三年生の詠んだ句には見えないでしょう。全校生徒の前で表彰されました。それ以来これぞと言う句は出てきません。大好きなゴルフの時にまあまあのショットが出た時に「おう、日光の前だ!」と叫ぶくらいです。 日光の前!?なんのこっちゃ?日光の前には「今市」という場所が有ります。そうなんです、イマイチのショットでした(笑)このような親父ギャグと言うより爺爺ギャグは連発していますが、誰も見向きもしてくれません。ついでにつまらんギャグを披露します。先程のイマイチと同類。100点のショットではないがいい所に飛んだ時、「おー!イギリスのお母さん」と喜ぶ仲間がいます。イギリスのお母さん?「マーマ」もうお分かりでしょう。これ以上爺爺ギャグを連発していたら、皆さん猛暑にやられる前にダウンしてしまいそうです。暑中お見舞いでした。健やかにお過ごしください。